大阪中演協 第139回 大阪府中学生演劇祭 まとめ&審査結果

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70年の伝統を大切に、
初心忘れず、創造活動を次の世代につないでいこう!

            - 閉会式での原口貴美子会長挨拶より --

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     仕込みはOBOGが支えてくれます。

令和と改まって、初めて迎えた第141回演劇祭が無事に終わろうとしています。
この演劇祭が70年という長きにわたり続いてきたのは、中学生たちに芸術を!と願われた先生方、OBOGの思い、そして何よりも中学生の熱い気持ちが脈々と受け継がれてきたからだと思います。
この歴史の上に立って今私たちのすべきこと、それは「初心に帰る」ことだと思います。「こんなメッセージを伝えたい」「こんな気持ちを舞台上で表現したい」と、演劇部で話し合い練習を重ねて、今回の舞台がありました。みんなが持っているそんなエネルギーを絶やさないでほしいものです。

演劇は「創造」です。
異なる価値観を持っている人たちが協力して作品を作り上げる。みんな違うから面白いのですね。これからも、違いを大切にしながら力を合わせ、新しい価値を作り出していきましょう。
創造力を高める活動は生き方につながります。ますますの創造を次の世代へつないで行きましょう。

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       - 閉会式での山口審査員の講評を中心に -

     ・台詞をうまく言うことが演技ではありません。表現と説明は違います。
       「台詞を正確に言う」ことよりその台詞で「何を伝えようとするのか」をみんなで話し合
                いましょう。台詞で「重い!」と言っても、簡単に持ち上げれば「重さ」は伝わらない。
       「重い」と台詞で言わなくても、呼吸や動作で「重さ」は伝えられます。
       「寒い」というのも同じ。自分の身体で表現するからリアリティが生まれるのです。
         練習時にいく通りもの表現を試しながら選ぶと表現の強度が増えてくるでしょう。

     ・演劇は時間を使う芸術なので、その中で何ができるかを考えよう。
      20~25分の短編劇で暗転を多用すると、劇がぶつ切れになり観客の気持ちが切れてしまい
      ます。速く暗転することも大切ですが、明るいままの転換(明転) や暗転のない舞台づくり
      を考えてみましよう。

     ・効果音も工夫が必要です。意図が伝わらない効果がいくつかありました。
      夕方を表現するのにカラスの鳴き声を使った学校が3校もありました。ありきたりで固定
      的な既成概念にとらわれないように気を付けましょう。

 

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最優秀 大阪府知事送賞

「 なつきとすすむ」

堺市立南八下中学校 演劇部 作:放送部 演出:以倉里江子

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南八下中演劇部「なつきとすすむ」の一場面


雷に打たれて、女子中学生のなつきと70歳の男性すすむの身体が入れ代わる。高齢男性と少女の交代という発想が面白い。
これ幸いと喜ぶなつき。母子家庭のなつきは、友人の多い妹や狭い家での生活に息を詰まらせていた。
一方のすすむは、独居で娘とも疎遠になり孤独な毎日を送る。
想像もできない真逆の生活体験がいい。
幕開きで、雨の中を2人がすれ違いながらそれぞれの抽象的な望みを言う場面は切実でリアリティがありラストにつながる。

すすむが中学生になっても腰を曲げていたのはなぜか。
老いは心の問題でもあるという表現のよう。
雷鳴はもっと激しく。音楽は大きすぎる。パントマイムはもう少し丁寧にしよう。

「入れ替わり」はありがちで展開や結末も予想できる作品が多い中、人間関係のディテールや、それぞれの寂しさを丁寧な演技で見せた。


最優秀 大阪劇作研究同人会賞

「 交換すとーりー」

私立 清風南海中学校 演劇部 作:佐藤 葵 演出:演劇部

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 清風南海中演劇部「交換すとーりー」の一場面

 
男子ひとりの芝居。
ビデオカメラに向かってひとりで話すしょうた。
廃校になった教室で、小学校のときに仲間と作ったレジェリー団について語る。レジェンド+ストーリーでレジェリー団。
過去には夜の学校に侵入した。その出来事を体現する。
しかし、他の3人はもう戻ってはこない。しょうたの未来への出発への決意を表現した。

彼が何を悩み、なぜレジェリー団に依存したのか、それを断ち切ろうとする気持ちの変化がなぜ起こったのかなどが伝わりにくい。今の鬱屈と当時の楽しさにもっと差をつけよう。
模造紙を破らず、次に託せばよかったのではないか。
多くを語らないことで「待っていた」日々の思いが表現されている。
机を回る演技はくり返される出口のない輪を表しているよう。
きちんと間をとった落ち着いた演技。聞き取りやすい声がいい。










第141回 大阪府中学生演劇祭 審査結果

受 賞 内 容 受 賞 校 受 賞 作 品 名
  最優秀賞
 (大阪府知事賞)
 堺市立     南八下中       「 なつきとすすむ 」
  最優秀賞
  (大阪学校劇作研究同人会)
 私  立      清風南海中  「 交換すとーりー 」
  優秀一席
 (大阪府会議長賞)
 和泉市立  郷荘中          「 もう一度 」
  優秀二席
 (大阪府教育委員会賞)
 和泉市立  北池田中     「 カゾクのカタチ 」 
  優秀三席
 (日本教育新聞社)
 大阪市立  緑 中        「 あんさんぶるcolors 」
  優 良 賞 
 (日本教育新聞社)
 八尾市立  曙川南中     「 Fairy of Snow 」
  優 良 賞
 (演劇協会賞)
  上演順
 貝塚市立  第一中  「 心の声 」
 大阪市立  大正北中      「 金魚のフン 」
 私 立     四天王寺中  「 未来へのバトントス 」
 私 立     プール学院中    「『高瀬舟』にて 」
 私 立   追手門大手前  「 わたしの中の君 」
  佳良 賞
 (演劇協会賞)
  上演順
 大阪市立  桜宮中  「 目が覚めるまで 」
 大阪市立  大桐中      「 本当の人気者になるためには…」
 大阪市立  茨田中   「 大切なもの」
 私 立     帝塚山泉ヶ丘    「5月のトライアングル」
 大阪市立  新北島中  「 私、言っちゃいます 」
  戯  曲  賞  該当なし     

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