大阪中演協 第142回 大阪府中学生演劇祭 まとめ&審査結果

 コロナ禍での制限や苦労乗り越え、25校が参加      
 大阪 中学校演劇の灯を守りました!
  消毒 換気 入場制限など、ご協力ありがとうございました!

  中演協 会長の挨拶・講評より

   久しぶりの大阪府中学校演劇祭が開催され、こうして一堂に会する 
 事ができました。初めてのコロナ禍での開催には制限や苦労が多々あ
 る中で、演劇の灯火を絶やさずに進められるのか、不安な日々を過ご
   してきました。
  二日間の日程を終えて、今とても感動を覚えています。
 参加した中学生のみなさん、応援して頂いた保護者の皆様、演劇部の
 指導者、顧問の先生方の力が結集しての開催を喜びたいと思います。

  海外では、5歳からドラマという教科として演劇を学んでいます。
 コミュニケーション能力の礎として、言葉を五感を使って相手に伝え 
 られるようにするためです。また、演ずることで自己の理解や表現
 力、キャストやスタッフが協力して作品を作りあげることで培われる
 チームワークの力が育てられます。
 演劇は、生きる上で大切ないろいろな力を育む事ができるのです。

  そんな演劇に取り組む中学生のみなさんに、
   心からの応援と今後の活躍を期待しています。
  ともに、がんばりましょう。

舞監席


  舞台下手の風景 舞監席

   
    加藤審査員(舞台美術家)の講評

      楽しい2日間でした。 
   芝居の楽しさに浸り、緊張していた人も演劇の渦に巻き込まれたことでしょう。
   今回は、主に”スタッフワーク”についてお話しします。

   ① 場転について

       転換している時間も芝居は続いているのです。暗転でガタガタと音を出して転換すると、
     芝居がぶつギレになってしまいます。暗転中、道具を持って走るのはとても危険、絶対禁止! 
       完全暗転ではなく、転換灯りをつけながら転換する方法もあります。例えば、ホリのみ青くする。
     音楽をかける。芝居の呼吸で机椅子を動かす。あるいは、暗転をせず道具も動かさず、灯りでエリア分
       けして芝居を続けるなど、方法はいろいろ。工夫してみましょう。

   ② 色彩の問題

     舞台を染める色はその作品のイメージになります。
     でも、お祭り"だからといって、多くの色を使いすぎると雑然とした舞台になってしまいます。
     全体に色を上手く制限し落ち着いた舞台に仕上げましょう。   
       大黒を引き舞台を黒にすると闇になります。黒は”無”なので、ホリに色を使うより役者に集中できます。
     無機質のもの、例えば教室の机や椅子などは見立てに使えます。例えばテーブルクロスを掛けるとリビン 
   グに見立てられます。しかし、クロスにしわがあったり、ゆがんでいると台無しになってしまいます。 
    
       制限がある中で色をどう使うか、想像力、アイデアが大切。小道具の色にもっと神経を遣いましょう。
















 

    高安審査員(舞台俳優)の講評

     私自身も出演してきた演劇祭が、147回目を迎えられたことに感動しています。
     今回は、演技を中心にお話します。 

  ① 身ぶり手ぶり、指差しが気になります。

      まるでテーマパークのゆるキャラのような動きがいくつかありました。
      と言うより、ゆるキャラの動きをそのままとり入れているんでしょうか? 
      わざとらしくて、とても気になりました。
      手足の動きが説明的で、台詞との二度打ちになっているのが不自然です。 
   身体の前で腕を組むと、心をブロックしたことになってしまいます。 

 ② 演 出

   観客の目をどう誘導するかを考えよう。 
   台詞を言いながら頭をコクコクさせると声がブレてしまいます。

 ③ 卒業生の作品が一定数あったのがよかった。

   コロナ禍で活動できなかった先輩が、後輩に脚本をバトンとして繋いで
       いくなど、受賞とは関係なく嬉しい事でした。


最優秀 大阪府知事送賞

「 わになって… 」

私立関西学院千里国際中 演劇部 作/演出:演劇部

関西学院千里国際
関西学院千里国際中 演劇部「わになって」の一場面

 
 暗く影のある沢田と明るく華やかな三輪の2人芝居。
幕開けのライトに照らされた沢田と、明るいサスのライトに入る三輪の対比がよかった。
2人の性格が、話し方、スピード、音色の違いでよくわかる。呼吸、間の取り方、声の大きさもいい。
大きな表現は迫力があり、演出がよく引き立てていた。

馬術でオリンピック候補と騒がれたが、落馬で怪我をした沢田。一緒に演劇祭に出ようと誘う幼なじみの三輪とそれを拒絶する沢田。
立ち上がり、脚を引きずることで、癒えない苦しみが伝わった。机と椅子2組、2人だけの空間、照明の絞り込みでとてもよかった。
説得力のある台詞と感情の爆発が迫ってきて、最後まで引き込まれる舞台になった。


最優秀 大阪学校劇作研究同人会賞

「 翼はいらない 」

 大阪市玉出中 演劇部 作:河野智行 演出:演劇部

玉出
 玉出中 演劇部 「翼はいらない」の一場面

 
   ゆるくクラブをやりたい2年たちが、3年の書いた堅 
 苦しい台本を書き変えようとする。
  後輩男子たちの音を外した「はぁーい」が本音と建前を
 上手く表現していた。
 3年の2人は怒るが、台本を読んで笑ってしまう。
 「むかつくのに笑える」「怒ってるけれど、感謝してる」
 など、いい台詞が光る。それぞれのキャラクターも立って
 いた。特に台本の書き直しの場面がよかった。
 机を移動させて作業をきちんと見せるところがとてもい
 い。相談を受けた先生のアドバイスもいい。3年に心境の
 変化が生まれるところがよく伝わった。

 意外性が常にあり、場面ごとに心境が変わっていく様子が
 とてもよかった。「翼をください」が、「一歩一歩ゆっく
 り歩きたい。翼はいらない」になる結末もよかった。
 生き生きとした演技、相手の目を見て対話している。





147


第147回 大阪府中学生演劇祭 審査結果

受 賞 内 容 受 賞 校 受 賞 作 品 名
  最優秀賞
 (大阪府知事賞)
 私 立   関西学院千里 
            国際中 
 「 わになって… 」
  最優秀賞
  (大阪学校劇作研究同人会)
 大阪市立  玉出中  「 翼はいらない 」
  優秀一席
 (大阪府会議長賞)
 大阪市立  大正北中  「 みどりいろ 」
  優秀二席
 (大阪府教育委員会賞)
 和泉市立  北池田中  「 中央ベンチ仲間 」 
  優秀三席
 (日本教育新聞社)
 堺 市立  南八下中     「 こちらちょっと聞いてよ
       コールセンターです 」
  優 良 賞 
 (日本教育新聞社)
 大阪市立  白鷺中   「 アイムヒア 」
  優 良 賞
 (大阪府中学校演劇協会賞)
  上演順
 大阪市立  友渕中  「 空の青さを知る 」
 私立 四天王寺中      「 Wa !」
  佳良 賞
 (大阪府中学校演劇協会賞)
  上演順
 大阪市立 緑 中  「 FEELING ~
  もしかしたらあなたの頭の中でも 」
 和泉市立 郷荘中      「 あの日 」
 大阪市立   新東淀中  「 比べられっ子 」
 私立 清風南海中  「 最後の夏、プールサイドにて 」
  戯曲賞      関西学院千里国際中
                   演劇部    
 「 わになって 」

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